[メイン] : x6 3d6 #1 (3D6) > 10[4,4,2] > 10 #2 (3D6) > 9[5,1,3] > 9 #3 (3D6) > 16[5,5,6] > 16 #4 (3D6) > 10[4,4,2] > 10 #5 (3D6) > 13[5,6,2] > 13 #6 (3D6) > 14[5,4,5] > 14

[メイン] : x2 2d6+6 #1 (2D6+6) > 8[4,4]+6 > 14 #2 (2D6+6) > 8[6,2]+6 > 14

[メイン] : x5 3d6 #1 (3D6) > 11[6,1,4] > 11 #2 (3D6) > 10[4,2,4] > 10 #3 (3D6) > 8[1,2,5] > 8 #4 (3D6) > 7[4,2,1] > 7 #5 (3D6) > 9[3,5,1] > 9

[メイン] : x5 3d6 #1 (3D6) > 13[2,5,6] > 13 #2 (3D6) > 4[1,1,2] > 4 #3 (3D6) > 10[4,5,1] > 10 #4 (3D6) > 11[3,5,3] > 11 #5 (3D6) > 7[2,3,2] > 7

[メイン] 立花 悠太 :  

[メイン] 立花 悠太 :  

[メイン] 立花 悠太 :  

[メイン] 立花 悠太 : 都会に小さく、奥ゆかしく広がる花畑。
長閑で、陽気な日差しが眠気を誘う平日の昼間。

[メイン] 立花 悠太 : ログハウスを彷彿とさせる平屋が、閑静な住宅街の中に紛れていた。
まるで、隠れ家のように、路地を進んだ奥に、ぽつりと。

[メイン] 立花 悠太 : 一匹の蜜蜂が、小さな白群の勿忘草に止まる。
微風に揺らされながら、時計の針を指で弄り、進む速度を緩めたような、そんなひと時。

[メイン] 立花 悠太 : コトン。ポストに投函される音と、遠く走り去っていくバイクの音。

[メイン] 立花 悠太 : 窓から差し込まれる日差しだけで十分に明るい店内は、照明も付けず。
木製のチェアに座り、新聞紙を広げる灰色の頭が、ゆっくりと動く。

[メイン] 立花 悠太 : 紫煙を燻らせながら。

[メイン] 立花 悠太 : 「ヨォーヨ、投函だ」
ロートーンボイス。抑揚も無く、新聞紙を少し降ろした隙間から見える黒い瞳が、外へと向けられる。

[メイン] 立花 悠太 : 「取りに行ってくれるか?水やりもおかげで十分だ」

[メイン] 立花 悠太 : 「俺は昼飯の準備でもしてくる」

[メイン] 立花 悠太 : 新聞紙を閉じ、近くのテーブルへそっと置くと、立ち上がり、気だるげに店の奥へと消えていく。

[メイン] ヨォーヨ : 「はーい、店長さん!」

[メイン] ヨォーヨ : 幼い少女の声が遠くで聞こえる。
ことり、とジョウロが置かれる音、次に聞こえるのは少し不揃いな足音。

[メイン] ヨォーヨ : ……ほどなくして。

[メイン] ヨォーヨ : 「……🌸……植物園……お知らせ?」
ダイニングテーブルの椅子と椅子の隙間から、ヨォーヨがひょこりと顔を出す。

[メイン] ヨォーヨ : 「店長さん、お花見のお誘いかな?」

[メイン] 立花 悠太 : 「植物園?」
奥から丸いトレーと、その上に乗せたサンドイッチ。
それとコーヒーと、オレンジジュースだ。

[メイン] 立花 悠太 : 「営業とかじゃなく、ただのお知らせか?」
たまにある。大きな植物園から、うちから花を買わないか?という打診が。
別に悪い話でもないんだが、大抵は断っている。

[メイン] ヨォーヨ : 「気になるなら、店長さんが直接見てよ……あっ、でも食べながらは駄目!お行儀が悪いから!」

[メイン] ヨォーヨ : 自分の分のトレーを受け取って、いただきます!と手を合わせる。

[メイン] 立花 悠太 : 眉を顰める。不服そうな表情、それでいて無気力な眼を向ける。

[メイン] 立花 悠太 : 「……いいか?ヨォーヨ、サンドイッチというのはだな」

[メイン] ヨォーヨ : 「うん?」

[メイン] 立花 悠太 : 「昔、フランスにいた伯爵が発明したものでな。大層カードゲーム好きだったそうで」

[メイン] 立花 悠太 : 「ゲームをしながら食事をする方法はないかと模索し、作り出したのがこれだ」

[メイン] 立花 悠太 : 卵にレタス、ハムを挟んだサンドイッチを片手で持ち、見せる。

[メイン] ヨォーヨ : 「へぇ〜!そうなんだ、店長さんは物知りだね!」

[メイン] ヨォーヨ : こくこく、と嬉しそうに頷く。

[メイン] 立花 悠太 : ……相変わらず、純真な奴だ。
と心の中で思い、額に指を置く立花。

[メイン] 立花 悠太 : 別に、なんとなく屁理屈を並べただけだった。
サンドイッチを食いながらチラシを見ても、行儀なんざ悪くないという意図なのだが……。
こうなると大人げ無いのは俺の方だ。

[メイン] 立花 悠太 : 「……調べればすぐに出てくる。価値のある話でもない」
諦め、サンドイッチを皿に戻してから、チラシへと手を伸ばす。

[メイン] ヨォーヨ : 「そっ、そうかな?ヨォーヨも頑張って勉強して、店長さんみたいにならなきゃ…!」
その様子を見つつ、両手に挟んだサンドイッチを笑顔で頬張る。

[メイン] 立花 悠太 : また一つ、複雑そうな表情。眉を顰める。

[メイン] 立花 悠太 : 好意は嬉しい。そいつを嫌う人間は、ただのひん曲がった奴だ。
いや、まぁ、俺もどちらかというと、ひん曲がった側の人間だが……。
ただ、肉と骨だけがある無感情な人間にはなりたくなかった。それだけだ。

[メイン] 立花 悠太 : で、だ……。俺みたいに、か。

[メイン] 立花 悠太 : 「……俺を目指す必要は無いんだがな」

[メイン] 立花 悠太 : というか、目指す方が毒になり得ると思う。我ながら情けないことだが、事実だ。

[メイン] 立花 悠太 : 花屋をやっているヘビースモーカー。
……一体誰が憧れる?俺だったら、反吐が出る。

[メイン] ヨォーヨ : 「うーん……でもヨォーヨ、修行のためにここで店長さんと一緒に働かせてもらってるわけだし……」

[メイン] ヨォーヨ : 言ってから再びサンドイッチにかぶりつき、もぐもぐと咀嚼する。
……実際、ヨォーヨがここを訪れたのは、広大な自然から離れた地での……『社会勉強』として、師匠から送り出されたという経緯もあった。

[メイン] 立花 悠太 : 「………」
小さいのに、本当によくやるよと、俺は感心している。
実際問題、親御さんの元から離れ、こうやって武者修行しているのだ。心細さが無い、だなんて想像は、俺には難しい。

[メイン] ヨォーヨ : ……確かに、店長である悠太の生活的な部分においては学習に反している側面もあったのだが……何よりそういった、理想とは違うものを見て、感じること──
そうでありながら同時に、自身の心を動かすものである『自然』への興味を最も純粋に伸ばすことのできる場所……として、この場所はうってつけであったのかもしれない。

[メイン] 立花 悠太 : 珈琲を啜る。

[メイン] 立花 悠太 : 「……寂しくは無いのか?」

[メイン] ヨォーヨ : 「え?」

[メイン] 立花 悠太 : 「元居た場所だ。恋しいと思うことだって、あるだろ」

[メイン] 立花 悠太 : 決めつけっぽいなこれ。外していたらなんか、恥ずかしいな。

[メイン] ヨォーヨ : 咀嚼を終えてから、少し考える素振りをして。

[メイン] ヨォーヨ : 「うぅん……年に何度かはちゃんと帰れるし、ヨォーヨにとってはここでもいっぱい自然を感じられるし……」

[メイン] ヨォーヨ : 「……それに、店長さんだって一緒にいてくれるでしょう?」

[メイン] 立花 悠太 : 「…………」
無気力な、まるで死んでいるような目で、ヨォーヨをその瞳に映す。

[メイン] ヨォーヨ : 「……え、えっと……ヨォーヨ、何か変なこと言っちゃったかな…?」

[メイン] 立花 悠太 : 狼狽えるヨォーヨの様子を見て、フッ……と小さく微笑む。

[メイン] 立花 悠太 : 「いや、違う」

[メイン] ヨォーヨ : 目をぱちぱちとして、悠太の方を見つめる。

[メイン] 立花 悠太 : 「……『花』ってのは、そうだよなって、そう思っただけだ」

[メイン] 立花 悠太 : チラシに手を取る前に、立花も小腹を満たす為にサンドイッチを食す。
それだけ告げると、その先は特に口にするつもりも無いのか、咀嚼する。

[メイン] 立花 悠太 : 「そうだな…… ……俺は、少し気分転換がしたい気分だな」

[メイン] 立花 悠太 : 唐突に、ぽつりとそう呟く。

[メイン] ヨォーヨ : 「……?」
わかったような、分からないような顔で……曖昧に頷きつつ。

[メイン] ヨォーヨ : 「!」

[メイン] ヨォーヨ : 「それじゃ、もしかして…!」

[メイン] 立花 悠太 : 別に、ヨォーヨに故郷と同じような景色を見せる為に、大きな植物園に足を通わせるだとか、そんな理由じゃない。そんな理由で浮つく大の野郎とか、見るに堪えないだろ。

[メイン] 立花 悠太 : 「ああ」
頷く。

[メイン] 立花 悠太 : 「俺も色んな『花』が見てみたいと思った」

[メイン] 立花 悠太 : 事実だ。俺は『花』に興味がある。あまり人のいるところには行きたくない気質なだけで、『花』は見てみたいと思っている。それだけは白も黒も無い、俺の純然たる気持ちだ。

[メイン] ヨォーヨ : 「わ…!」
思わず机に手をつき、キラキラとした目を向け。

[メイン] ヨォーヨ : 「ヨォーヨも!ヨォーヨもお手伝いとして……着いていっていいよね?」

[メイン] 立花 悠太 : にやりと笑う。

[メイン] 立花 悠太 : 「まだヨォーヨに一人で店番は任せられないからな」

[メイン] ヨォーヨ : その言葉に、期待の眼差しがやがて子供らしい笑みに。

[メイン] ヨォーヨ : 「うん!……それじゃ、今のうちから準備しておかなきゃ!」
「お財布でしょ、水筒でしょ、あとは……あっ、お花にお水!」

[メイン] ヨォーヨ : ごちそうさまでした!と手を合わせ、トレイを運んでせわしなく駆け出す。

[メイン] 立花 悠太 : まるで風に運ばれる黄色い蒲公英を彷彿とさせ、その背にくすりと、慈しみ深い笑みを向けながら。

[メイン] 立花 悠太 : 漆でも塗したような瞳を、ダイニングテーブルへと向ける。
残されたのは、植物園のチラシ。
目を細めると、手に取り、しげしげと眺める。

[メイン] 立花 悠太 :  

[メイン] 立花 悠太 : CCB<=80 図書館 (1D100<=80) > 25 > 成功

[メイン] 立花 悠太 :  

[メイン] GM : 一番最初にこの植物園が運営しているのであろう公式HPが表示される。
なんの変哲もないごく普通のHP。強いて気になることを挙げるのなら、仕様が古く、管理がきちんとこなされていないことくらいだろう。

[メイン] GM : 追加で《オカルト》の値*2を振れますね。

[メイン] 立花 悠太 : ccb<=10 オカルト*2 (1D100<=10) > 56 > 失敗

[メイン] 立花 悠太 :  

[メイン] 立花 悠太 : 普通だった。
ここで言った普通ってのは、期待よりも駄目だったとか、そういうものではない。

[メイン] 立花 悠太 : 植物園と看板を打つなら、このくらいの規模はあるだろうなという、想像通りのものだった。
だからこそ、期待外れなことにはならないだろうという、そういう意味での、普通だ。

[メイン] 立花 悠太 : 劇的なものなんて、必要じゃない。
物語には必要なんだろうが、俺は現実に生きている。

[メイン] 立花 悠太 : 兎にも角にも、ヨォーヨが故郷と似たような空気を吸うことができれば、それでいい。あとは、珍しい花もあれば、俺にとってなお良し、だ。

[メイン] 立花 悠太 : 「ヨォーヨ、行くぞ」

[メイン] 立花 悠太 : 身体の一部のように咥える煙草から、紫煙が燻る。

[メイン] 立花 悠太 : 時は、休日。
店も戸締りをした。休店日ということにした。
急ぎの客がいるわけでもないし、何なら場所が場所なだけに、ふらりと立ち寄ってくる客もいない。

[メイン] 立花 悠太 : クレームも気にせず、好きに経営できる。俺にとっての都合の良い店だ。

[メイン] 立花 悠太 : 今日の春の空は、快晴。

[メイン] 立花 悠太 : 花々も、空を見上げていた。

[メイン] 立花 悠太 : 俺も、ぼーっと見上げた。

[メイン] 立花 悠太 :  

[メイン] 立花 悠太 :  

[メイン] 立花 悠太 :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : そして当日。あなたたちは植物園を訪れる。

[メイン] GM : 規模も小さくどこか古びた印象の植物園であったが、いざ中へ入ってみると、草花は丁寧に管理されており、敷地いっぱいに花を咲かせ、色鮮やかにあなたの目に映ることだろう。

[メイン] ヨォーヨ : 「〜〜〜〜!」

[メイン] ヨォーヨ : 「見て!ヨォーヨの故郷の山によく咲いてたお花!あれはね…!」

[メイン] ヨォーヨ : 小さな身体で思わずぐいぐいと手を引く姿は、さながら親子のようにも見紛うだろう。

[メイン] 立花 悠太 : 「おいおい、ちゃんと前見ろよー」

[メイン] 立花 悠太 : 「柱にぶつかって後で痛い思いしても知らねぇぞ」

[メイン] 立花 悠太 : ちらりと柱に見えるは、園内喫煙禁止。
ヘビースモーカーも、ちゃんと社会には適合する。
口には何も咥えない。

[メイン] ヨォーヨ : 「は、はーい……つい…!」
言いつつ、気分の高揚は隠しきれない。

[メイン] 立花 悠太 : 腕を引っ張られながら、相も変らぬ無気力な表情と、抑揚の無い声。
しかしながら、漆のような目は、園内に咲き誇る植物達をしっかり、一つひとつ捉えていた。

[メイン] 立花 悠太 : 「……フッ」
ほくそ笑む。

[メイン] 立花 悠太 : 「まぁ気持ちは分からんでもない。久々にこういうところに来たが、絶景だな」

[メイン] ヨォーヨ : 「うん!こんなに生き生きとした木やお花に囲まれて、ヨォーヨ、住んでた山に戻ってきたみたい!」
「……あっ!店長、あのお花もうちのお店に置いて……」

[メイン] ヨォーヨ : どん。

[メイン] 立花 悠太 : 園内はドーム状の作りになっており、外の世界とは完全に断絶された世界になっている。
そのために、完全整備された空調によって、気温も、湿度も、この季節に咲くことのない花を咲かせる為のものになっており、そのおかげで色彩に幅を利かしていた。

[メイン] ヨォーヨ : 「わっ……いたた、ごめんなさい…!」

[メイン] : 見上げれば、赤
危険を意味する赤、血の赤

[メイン] 立花 悠太 : さすがは金を掛けている大きな施設は違うなと思っていた矢先に、これだ。

[メイン] ター : 凡そここにいるには相応しくないような風貌の男がそこにいた

[メイン] ター : 「.....ガキか、怪我はねェか?」
ぬっ...と身をかがめヨーヨゥの身を案じる

[メイン] ター : その片手には使い主を失った2枚目のチケットが握られている

[メイン] ヨォーヨ : 「へっ……よ、ヨォーヨは大丈夫だけど……」

[メイン] 立花 悠太 : おっと、輩か何かにぶつかっちまったか、面倒事になりそうだが、俺からも詫びの一つが先だな……と思っていたが。

[メイン] 立花 悠太 : ヨォーヨと、明らかに輩な風貌の男のやり取りに驚き、目を少し開かせる。

[メイン] 立花 悠太 : ……人は、見かけに依らないんだな。

[メイン] 立花 悠太 : 「申し訳ありません、保護者です」

[メイン] 立花 悠太 : 礼節として、立花も頭を下げる。

[メイン] ター : 「.......ツレが居んのか、チッ」
袖にされたことを思い出し、ぶつかられた時よりも気分を悪くする

[メイン] ヨォーヨ : はっとした顔になって、悠太を見習って急いで頭を下げる。

[メイン] ター : 「はァ...別にこんなガキにぶつかられたぐらいで何ともねェよ」
「ま、しっかりツレと手繋いどいた方がいいと忠告だけはしておくんすがね」

[メイン] 立花 悠太 : 「……」
明らかに不機嫌な様子だ。少し揺さぶるだけでも大噴火を起こしかねないな。
んで……なるほど、手には二つのチケット。つまりは、まぁ、察するものはある。

[メイン] 立花 悠太 : 「おっしゃる通りです。私の監督不行きに依るものに他なりませんから」

[メイン] 立花 悠太 : 口は悪いんだが、なんだ、あれだな……。

[メイン] 立花 悠太 : 立花は、思った。
悪い奴じゃないんだな………。と、改めて、人は見かけに依らない、ということが分かった。

[メイン] ター : ガキの相手は嫌いじゃない
むしろ得意だ、今も昔も

[メイン] ター : ただ大人になって、大人相手に愛想よく出来なかったから
今こうなっている
それだけ

[メイン] ター : 「じゃ、嬢ちゃん楽しむのはいいが気ィつけろよ」
そう言い残すと立ち上がり、どかっと近くのベンチに座り込んで体を預ける

[メイン] 立花 悠太 : 再び、ターへ頭を一つ下げる。

[メイン] ヨォーヨ : 「う、うん……っ」
ぎゅ、と悠太の手を握り直して、再度頭を下げる。

[メイン] 立花 悠太 : 穏便に事が進んだのも、この男の懐の広さが要因としちゃ大きい。
あの様子じゃ、待ち人にすっぽかされ、頭に来てるところだ。

[メイン] 立花 悠太 : もう何に当たったっておかしくねぇだろうに、よく人間ができてるぜ。

[メイン] 立花 悠太 : 「……行くぞ、ヨォーヨ」
握り返し、これ以上彼の気分を害さない為に急ぐ。

[メイン] ヨォーヨ : こくり、と頷いておそるおそるその場を離れる。

[メイン] ヨォーヨ : 「……ありがとう、店長さん……ごめんなさい」

[メイン] 立花 悠太 : 「ん?」

[メイン] 立花 悠太 : 漆のような目を、自分よりも背丈の小さい女、ヨォーヨへと向ける。

[メイン] 立花 悠太 : 「おい、ヨォーヨ」

[メイン] ヨォーヨ : 「は、はいっ」

[メイン] 立花 悠太 : 「地面ばっかり見てたら、入園代が勿体ないだろ?」

[メイン] ヨォーヨ : 「……!」

[メイン] 立花 悠太 : 「この先は温室コーナーだそうだ、熱帯の地域に生息する植物を見ることができるらしくてな、俺も楽しみなんだ」

[メイン] 立花 悠太 : 「俺も図鑑知識程度ならあるんだが、何分こういうのは、餅は餅屋と言うだろ」

[メイン] 立花 悠太 : 「だから、俺よりも長く自然と共にしてきたヨォーヨにガイドをお願いしたいんだが、いいか?」

[メイン] ヨォーヨ : 「店長さんが楽しみに……」

[メイン] 立花 悠太 : 「ああ」
にやりと笑う。

[メイン] ヨォーヨ : やがて、釣られるように笑顔を取り戻して大きく頷く。

[メイン] ヨォーヨ : 「うん!お花屋はお花屋だね!」
「それじゃ、ヨォーヨに付いてきて!……今度は注意して歩くから、大丈夫!」

[メイン] ヨォーヨ : 再び先程のように、悠太の手を引いて前へと歩き出す。

[メイン] 立花 悠太 : 「ああ、頼んだぜガイドさん」
落ち込んでるよりは、こっちの姿の方がヨォーヨらしい。俺もその方が気持ちが良いもんだ。

[メイン] GM : 植物園の少し奥へ進むと、温室が見える。

[メイン] GM : 中から嗅いだことのないような甘い香りが漂い、あなたは誘われるように中へと足を踏み込んでしまう。

[メイン] GM : しかし、その甘い香りと共に白く柔らかな光が眼前を包み、あなたの意識はそこでぷつりと途絶えてしまう。

[メイン] GM :  

[メイン] GM : あなたは、先ほど嗅いだ甘い匂いで目を覚ます。
辺りを見渡すと、そこは植物園の温室などではなく、小さな四角い白い部屋だということがわかる。

[メイン] GM : 見知らぬところへ移動させられた、と不気味に思った探索者はSANc(0/1d3)

[メイン] 立花 悠太 : 1D100<=80 正気度ロール (1D100<=80) > 49 > 成功

[メイン] ター : ccb<=35 (1D100<=35) > 54 > 失敗

[メイン] ヨォーヨ : CCB<=65 SANc (1D100<=65) > 47 > 成功

[メイン] ター : 1d3 (1D3) > 3

[メイン] system : [ ター ] SAN : 35 → 32

[メイン] ヨォーヨ : 「…………ん……」

[メイン] ヨォーヨ : 鼻を突く甘い匂いに目を覚まし、やがてゆっくりと起き上がる。
確か、店長さんに連れられて植物園に来て、温室の方に向かって……

[メイン] ヨォーヨ : ……向かって……

[メイン] ター : 「オイオイサウナがねェじゃねェかよォ〜!??!!!?」
思考を中断するような怒号

[メイン] 立花 悠太 : ぼんやりとした視界の先に映るのは、任侠映画にでも出てきそうな男の顔。死んだ魚のような目で、ヨォーヨを見ていた。

[メイン] 立花 悠太 : 「起きたか、ヨォーヨ」

[メイン] ヨォーヨ : 「……わぁあ!?」

[メイン] ヨォーヨ : 起き抜けに視覚と聴覚、両側から刺激を受ける。
「わ、店長さん……」

[メイン] 立花 悠太 : ヤンキー座りの姿勢、ターの怒声を背に、ヨォーヨを見守っていた。

[メイン] ター : 「クソっ...サウナも彼女も無いならおれァなんのために車飛ばして...」
ぶつぶつと呻いている

[メイン] 立花 悠太 : 「まぁ……なんだ……色々、混乱すると思う」
眉を顰め、説明もどこからすればいいのやらと面倒そうに、頭を掻く。

[メイン] ヨォーヨ : そこでようやく、意識がはっきりしてくる。
「…………えっと、店長さん、ここ……」

[メイン] 立花 悠太 : 「……あとでじっくり自分の目で見てくれば分かると思うが」

[メイン] 立花 悠太 : 「─────俺達はたった今、閉じ込められた」

[メイン] ヨォーヨ : 「…………!!?」

[メイン] 立花 悠太 : 「人は俺と、さっきの人と、ヨォーヨだけだ」
親指で、背後で狼狽するターを指す。

[メイン] ヨォーヨ : その言葉にちら、と怒号の主の方を再度確認する。
言われた通り、さっきヨォーヨがぶつかっちゃった人……

[メイン] ター : 「...ンン?何人指さしてガン飛ばして...」
こちらを見ている視線から反応する

[メイン] ヨォーヨ : 「あ、あの……」

[メイン] ター : 「オウ、さっきぶりだろ」

[メイン] 立花 悠太 : さっきぶりです。という意を込め、立花は一礼。

[メイン] ヨォーヨ : こくん、と頷く。
「ヨォーヨです、こっちは店長さんの悠太にぃに」

[メイン] ター : 「おれァ結構時間潰してから進んでたと思うがもう追いついちまったか?」
「ヨーヨーにユータニーね、自己紹介どうも」

[メイン] ター : ccb<=100 おいアンタら ロックスターって知ってるだろ (1D100<=100) > 81 > 成功

[メイン] 立花 悠太 : 脱力し、平然とした様子に見える立花だが、内心は別にそうでもない。むしろ、参っている。
首元に手を置きながら、逡巡。

[メイン] 立花 悠太 : 「いえ、俺達は温室に入ったっきりで、その後の記憶が曖昧なんですよ」

[メイン] ヨォーヨ :

[メイン] 立花 悠太 : 「……この植物園が開催する、そういうイベントなんでしょうかね」

[メイン] 立花 悠太 : そうだと良いんだがな、そうであってほしいものだ。
むしろ、それ以外の理由があったら、俺は困惑する。

[メイン] ヨォーヨ : ccb<=5 知ってる (1D100<=5) > 78 > 失敗

[メイン] ヨォーヨ : 「……よ、よろしくね…?」

[メイン] 立花 悠太 : ccb<=5 ロックスターを知ってるかどうか (1D100<=5) > 11 > 失敗

[メイン] ター : 「知らねェのか、お2人さん見てる限りここにゃ詳しそうだったが」

[メイン] 立花 悠太 : 「いいえ、俺達はただのしがない花屋ですよ。こういうところに来るのも久々なものでして」

[メイン] ター : 「生憎パンフレットも早々に捨てちまっておれもわからん」

[メイン] ヨォーヨ : ふるふる、と首を振る。
「うん……ヨォーヨたちも、うちに届いたチラシを見て初めて来たから」

[メイン] ター : 「ああ...おれの自己紹介がまだだったな」
「ロックスター。気軽にターって呼んでくれよ」

[メイン] 立花 悠太 : 「ターさんですね」
なるほど、名前からして外国人さんか。ブラジルとか、そっち系統だろうか。

[メイン] 立花 悠太 : 立花です。と会釈した後、改めて状況を整理すべく、辺りを見渡す。

[メイン] ター : 「サウナルームはねェようだな」
先程見回した部屋を、もう一度ぐるりと見渡す

[メイン] 立花 悠太 : 「それと、小さなプランターだ」

[メイン] ヨォーヨ : 「わかった……おんなじ状況だし、ターにぃにも一緒に協力してくれたら嬉しいな」

[メイン] 立花 悠太 : しゃがみ込み、部屋の中央にぽつりと置かれているものを見やる。

[メイン] GM : 《目星》どうぞ!

[メイン] 立花 悠太 : CCB<=95 目星 (1D100<=95) > 23 > 成功

[メイン] GM : プランターの下に水やり用のじょうろ、軍手、枝きり用ばさみ、肥料といった植物を育てるために必要なものが置かれていることに気付く。

[メイン] ター : 保護者もいんのに迷子ォ...?
イマイチ状況がつかみきれてねーがおれも迷子なことに間違いは無い、受け入れない選択はないだろう

[メイン] GM : 追加で《アイデア》または《生物学》を振れますね。

[メイン] 立花 悠太 : 適当に一つ、肥料を手に取って、じろじろ眺めながら。

[メイン] 立花 悠太 : CCB<=80 生物学 (1D100<=80) > 62 > 成功

[メイン] GM : プランターの下に水やり用のじょうろ、軍手、枝きり用ばさみ、肥料といった植物を育てるために必要なセットが置かれていることに気付く。また、植物を育てる道具は一式揃えられているのに、肝心の植物の種や苗が置かれていないことに気付ける。

[メイン] ター : 「いーぜヨーヨー、出口まで付き添ってやるよ」
案内人になるとは言っていないが

[メイン] 立花 悠太 : ……足りないものと言うと、そんなところだ。
となると、やはりこの園内で開催される、何かしらの体験イベント……とかなんだろうな。

[メイン] ヨォーヨ : 「うちのお花のプランターと似てるね……お花はないみたいだけど」
悠太の後ろから覗き込むようにしつつ。

[メイン] ヨォーヨ : 「わぁ……!ありがとう、にぃに!」
ぴょんぴょんと小さく飛び跳ねる。

[メイン] 立花 悠太 : 「助かります、ターさん」
なら、こういうイベントで必要そうに思える人手が増えるのは、こちらとしても助かる。

[メイン] ター : 「んだそのにーにって...もうそんな歳でもねェけどな」

[メイン] 立花 悠太 : そして、ヨォーヨに頷く。
俺が吟味するよりも、いち早くそれに気が付くのはきっと、野性の直感とか、そういうものなんだろう。
自然との融和の中で生きてきたからこそ、培われた感性なんだろうな。

[メイン] ヨォーヨ : お花屋さんをしてる時もそうだけど……こういうときの店長さん、大人っぽくてかっこいいなぁ……

[メイン] GM : プランターを眺めていると、周りに漂う甘い香りが、いっそう強くなる。

[メイン] 少女 : その香りの元へ振り向くと、肌も髪も服装も真っ白、しかし目だけ深い藍色をした少女が立っていた。

[メイン] 少女 : そして少女と目が合う。

[メイン] 立花 悠太 : 「……蜜の香り」

[メイン] 立花 悠太 : 顔を徐に上げると……。

[メイン] 少女 : この匂いは彼女から発せられているようだ。
どこか人とはかけ離れた見た目、雰囲気に圧倒されていると、

[メイン] ター : 「またガキが迷い込んでんな」
「スタッフは何してんだ...」
呆れたような表情で、どこかにいるスタッフに向けた嫌味を飛ばす

[メイン] 少女 : 「あなたたちは、まさか…」
少女はあなたたちを見るなりと目を丸くして驚く。

[メイン] ヨォーヨ : 「……えっ? ヨォーヨたちの他に、もうひとり……」

[メイン] 立花 悠太 : 「………………」
ターさんの言うように、迷子……なんだろうか。
さっきまでそこにいなかったような気がするんだが……。

[メイン] ター : ccb<=100 自己紹介 (1D100<=100) > 13 > スペシャル

[メイン] 少女 : ccb<=5 (1D100<=5) > 16 > 失敗

[メイン] 立花 悠太 : 無気力で、無機質な、脱力した漆色の瞳で、少女をじっと見やる。

[メイン] 立花 悠太 : そして、砕けたように両手を挙げる。

[メイン] 立花 悠太 : 「まさか誘拐犯、なんて言おうと思うのなら、そいつは不正解だ」

[メイン] ター : 「どう見てもツラから考えて疑われるのはユータニじゃなくておれだろうが...いやおれも犯人じゃねぇが」
右に倣ってもろ手を上げる

[メイン] 立花 悠太 : そう言ってくれるのは助かるんだが、なんだ。

[メイン] 立花 悠太 : 俺も、人のことは言えないんだ。柄、態度の悪さは、ある程度自覚してる。

[メイン] 立花 悠太 : 直せと言われても、面倒だからしないんだが。

[メイン] ヨォーヨ : こくこく、と頷いて。
「悠太にぃにもターにぃにも、そんなことしないもん!……えっと……」

[メイン] ヨォーヨ : 「初めまして、ヨォーヨと申します。あなたのお名前は?」

[メイン] 少女 : 「ああ、ああ。ごめんなさい。わたしが、わたしがつよく願ってしまったから。本当にごめんなさい」
何かを悟ったのか、少女はそう何度も謝って

[メイン] 少女 : 「あなたたちが帰れるようにできるだけの努力はするわ」
と、たどたどしくあなたたちに話しかけます。

[メイン] 少女 : ヨォーヨの方に視線を向けて
「はじめまして。なまえ…呼んでくれる人もいなくなってしまったから、忘れてしまったわ。そもそも、そんなものがわたしにあったのかさえ…不便だったら、好き呼んでくれて構わないわ」

[メイン] 立花 悠太 : 「………?」
……何を、言っているのだろうか。そういう、セッテイ、というやつか……?

[メイン] 立花 悠太 : 意図が掴めず、頭の後ろをぼりぼりと掻くだけだった。

[メイン] 立花 悠太 : ただ、そうだな。もしもこの子がスタッフで、案内人だとするなら、好都合だ。

[メイン] 立花 悠太 : ヨォーヨと歳の差も、それほど離れちゃいない。

[メイン] 立花 悠太 : と、思う。

[メイン] 立花 悠太 : 年齢が近い者同士の方が、互いに気を緩めやすいってのも、あるだろう。きっと。

[メイン] ヨォーヨ : こちらも言っていることがよく分からないというように、悠太と視線を合わせる。

[メイン] 立花 悠太 : 目が合うと、こくりと頷き。

[メイン] 立花 悠太 : 「せっかくだ、『楽しんで』来な、ヨォーヨ」

[メイン] 立花 悠太 : くいっと顎を動かし、自由にしていいぞ、という意味を込め、そう告げる。

[メイン] ター : 「おい待てよ...迷子なのにそんな悠長にしてていいのか」

[メイン] ヨォーヨ : 言葉の意味を考えるように数回瞬いたのち、やがてこくりと頷くと、少女と距離を詰めようとする。

[メイン] 立花 悠太 : ヨォーヨと少女だけの、子どもだけの空間になるようにそっと離れ、ターの近くで止まると、煙草を取り出す。
……取り出して、止める。ここはまだ園内だ、というのに気が付き、弁える。

[メイン] 立花 悠太 : 「……そうすね、悠長にするもんじゃないと俺は思いますが」

[メイン] 立花 悠太 : 「……いずれ、枯れますからね」

[メイン] 立花 悠太 : 煙草を、仕舞うのだった。

[メイン] ヨォーヨ : 二人の話し声が聞こえなくなったころ、少女の方を見て。
「……えっと」

[メイン] 少女 : じーっと話しかけてくるヨォーヨの方を見つめて

[メイン] ヨォーヨ : 「あなたの事情はよく分からないけど……ダメだよ、ヨォーヨたちだけ帰ったら……今度はあなたが一人だけ迷子になっちゃうでしょ」

[メイン] ヨォーヨ : きゅ、とその少女の手を両手で包み込むように握る。

[メイン] ヨォーヨ : 「……だから、ヨォーヨたちとお友達になって、一緒に帰り道を探さない?」

[メイン] 少女 : 「………」
深い藍色の瞳を下げて、自分の手を包み込んでいるヨォーヨの手を一瞥したあと、再度顔を上げて

[メイン] 少女 : 「まいご…かどうかはわたしにもよくわからない。けれど、わたしとあなたはきっとちがうわ」

[メイン] 少女 : 「ここはわたしとおとうさんがねむる場所、わたしの居場所はここよ」

[メイン] ヨォーヨ : 「あなたの居場所……」
口に手を当てて、少し考える。

[メイン] ヨォーヨ : 「……それじゃあ、ヨォーヨたちがここにいる間だけでも、一緒にお友達になろうよ!」
「ヨォーヨたち、こんなふうにせっかく出会えたんだから……それに」

[メイン] ヨォーヨ : にこりと少女に笑顔を向け。
「ヨォーヨにとっては、草やお花、山や川や岩、みんな大切な友達だよ。ヨォーヨとあなたがどう違うかなんて、そんなこと関係ないはずだもん」

[メイン] 少女 : 「友達になってくれるのは嬉しいわ。だけど、出会えたのはわたしが願ったから…」

[メイン] 少女 : ヨォーヨから視線を外すように顔を俯かせて
「…だから、ごめんなさい。あなたがここに迷い込んでしまったのは、わたしが終わりたいと願ったから…わたしの願いを叶えてくれたら、あなたたちはここから出て行ける。だから…友達なったらあなたが辛いと思うわ」

[メイン] ヨォーヨ : 「……『おわりたい』?」

[メイン] 立花 悠太 : ぴくりと、眉が動く。

[メイン] 立花 悠太 : 微笑ましい、子ども同士のやり取りだと見守っていたが、不穏なワードが耳に届く。
─────『終わりたい』とは、一体。
立花は、目を細めた。ただでさえ悪い目付きが、さらに悪くなる。

[メイン] ター : どうも要領を得ねェな...
考え事する時にゃタバコをっと

[メイン] 少女 : 「わたしは、終わりたい。この退屈なへやでずっと生き続けるのは苦しいの」

[メイン] 立花 悠太 : イベントにしちゃ、なんだ……こういうのは、客をワクワクさせるのが定番なんだが、どうにも、そういう系統とは、違う。
物悲しさを、抱かせる─────。

聞いている者として、聞こえの良くない、気持ちの良くない言葉。

[メイン] ヨォーヨ : それなら尚のこと、ヨォーヨたちと一緒に外に出ればいいのに……
……何か、他に事情があるのかな……?

[メイン] ター : ガキが2人もいるんだったな...生い茂る草は無くなったからどっかのタイミングでヤニいれてェが
再び取り出したライターをポケットに突っ込み直す

[メイン] 立花 悠太 : 引っ掛かりが、立花の胸中で霧を発生させるのだった。

[メイン] GM : 少女と話をしていると、どこからともなくひらひらと一枚のメモが落ちてくる。

[メイン] GM : 拾い上げて読むと
「ここから早く出たいだろう?ならば、終わらせるなんて悠長なこと言ってないで殺してしまえ。
彼女を消しさえすればここから出られるんだから。さあ、さあ。」
と乱暴な筆跡で書かれてあることがわかる。

[メイン] ヨォーヨ : 「…………。」

[メイン] 立花 悠太 : ヨォーヨから奪う。

[メイン] 立花 悠太 : くしゃりと丸め、捨てる。

[メイン] ヨォーヨ : 「あっ……」

[メイン] 立花 悠太 : 何を語るまでも無く、漆のような目で見やって、顎を小さく動かす。

[メイン] 立花 悠太 : ヨォーヨの『好きにやれ』、の意だ。

[メイン] ヨォーヨ : 「…………」
今度は、少し長い間考えて。

[メイン] ヨォーヨ : 「……わかった、ヨォーヨはあなたのこと手伝うよ」
「だから、一緒に方法を探している間……あなたのことを聞かせてくれる?」

[メイン] ヨォーヨ : …………。
さっきの紙……『終わらせるなんて悠長なこと言ってないで殺してしまえ』って書いてあった。
裏を返したら……終わらせるっていうのは、殺してしまうのとは違うってこと……のはず、きっと。

[メイン] 立花 悠太 : 「─────ヨォーヨ」

[メイン] ヨォーヨ : 「!」

[メイン] 立花 悠太 : 後ろから、ぶっきらぼうな声。

[メイン] 立花 悠太 : 「………なんだ、あれだ」
自分の頭の後ろを掻きながら。

[メイン] 立花 悠太 : 「……いずれ、枯れる。形がありゃ、なんだって、そうだ」

[メイン] 立花 悠太 : 「人も、物も、花も、行く先は同じだ」

[メイン] ヨォーヨ : 「……店長さん?」

[メイン] 立花 悠太 : 「だが、その終着点を目指すばかりが、『生きる』ことじゃないだろ」

[メイン] 立花 悠太 : 単なる、俺個人の哲学の押し付けでしかないがな。

[メイン] ヨォーヨ : …………相変わらず、店長さんの言うことは難しい……けれど。

[メイン] ヨォーヨ : 「わかってるよ、店長さん。ヨォーヨはいろんなものを見て、遊んで、……少しだけ修行して、店長さんたちと一緒に楽しく過ごすのが好き」

[メイン] 立花 悠太 : 分かってるのやら、分かってないのやら。
─────いや、いいんだ。
『理屈』で分かれって話じゃ、ねぇからな。

[メイン] 立花 悠太 : 小さく微笑むだけで、それ以上男は紡ぐことはなかった。

[メイン] 少女 : ヨォーヨと悠太の会話が終わったのを確認して、口を開く。
「終わらせてくれるのね?ありがとう」
「…聞いてもつまらない内容だと思うけど、覚えていることもわずかだし…それでもいいのなら、わたしのことを話すのは構わないわ」

[メイン] ヨォーヨ : ……それが店長さんの意図かどうかは、分からないけれど。
人や、物や、花が終わりを迎える前に……ヨォーヨは、たくさんそれに触れて、楽しく終われた……って思えるようにしたい。

[メイン] ヨォーヨ : 「……うん!ヨォーヨたちのことも話すから……ほら、そこの店長さん!ヨォーヨの店長さんなんだけど、すごい人なんだよ?」

[メイン] 少女 : 「…そうなの?」
ヨォーヨの背後に立つ、灰色の髪の男の方を一瞥して

[メイン] ヨォーヨ : くい、くいと手を引っ張る。
「あっ……そうだ!その白い髪の毛、とっても綺麗だと思うから……お名前が思い出せるまでの間、白(ハク)って呼んでもいい?」

[メイン] 立花 悠太 : 「………」
擽ったい紹介をされた。悪い気はしないんだが、それはそうと、擽ったいものは、擽ったい。

[メイン] 立花 悠太 : ガルルルルル!と敢えて、反骨精神で、威嚇した。
別に本気でやるとかじゃなく、子どもをあやす程度のもの。
……相変わらず俺、ひねくれてんな、とも、思った。

[メイン] 少女 : 「…構わないわ。あなたがそれでいいならそう呼んで」
手を引っぱられて、少しふらつきつつも頷いて

[メイン] ヨォーヨ : 「きゃー!」
くすくすと笑いながらそれに反応する。

[メイン] ハク : ヨォーヨと悠太のそんな様子を眺めながら、ターの方に視線を向けて

[メイン] ター : 自分の方に向いてるとは考えもせず
部外者かのように能天気にあさっての方向を向いている

[メイン] ハク : 「あなたもわたしの願いを叶えてくれる…って認識でいいの?」

[メイン] ター : 「お願い?初対面の奴におねだりたァいい度胸だろ」

[メイン] ター : 「ンマー我儘言えるのもガキの特権だな、乗ってやるよ」

[メイン] ハク : 「…ありがとう」
小さく頭を下げて感謝を述べる。

[メイン] ヨォーヨ : こしょこしょと伝える。
「……ちょっと怖そうかもしれないけど、意外といい人だよ」

[メイン] ハク : 「…そうなの?」
もう一度ちらりとターの方に視線を向けて

[メイン] ター : 「そんなツラに見えるか?」
自嘲気味に笑いながら

[メイン] ヨォーヨ : 「ごっ、ごめんなさい…!? 聞こえてた!?」

[メイン] ター : 怖く見えているか、いい人に見えているか
どちらかは濁したまま

[メイン] ター : 「ガキなんてムカつく奴の悪口いってなんぼだろ、何も気にしてねェ」
「我慢なんざ覚える必要もねェ、おれだっていつもやりたいことやってんだから」

[メイン] ヨォーヨ : 「そっ、そうなのかな……ううん……」

[メイン] ター : 「欲はいくら経っても枯れねェが欲を実現して無条件で許されるのはガキの時代だけだからな、今のうちに楽しんでおくことを...勧める...」

[メイン] ヨォーヨ : ……曖昧な笑顔で頷く。

[メイン] 立花 悠太 : 「……で、だ……ハク、俺達は初めてここに来たわけで、右も左も当然分からないんだが」

[メイン] 立花 悠太 : 「具体的に俺達は何をすりゃいいんだ、あとは、あの扉もなんだ」
漆の瞳が、幾つもある扉を見やっていく。

[メイン] ハク : 「…改めて言うけど、あなたたちにやってもらうことは、わたしの願いである『わたしを終わらせる』を叶えてもらうこと…わたしがそう願ったためにあなたたちがここに呼ばれたのだと思うわ」

[メイン] ハク : 「…扉の先は部屋につながってるわ。わたしを終わらせるために必要なものが置いてあると思う…どうやって終わらせるかはあなたたちに一任するわ」

[メイン] ター : 「何度言われてもそこがよくわかんねェ」
「ガキンチョの何が終わるっつってんだ?」
耳クソをホジりながら聞き直す

[メイン] 立花 悠太 : 具体的につってのに、そのままか。
その文字通り受けとりゃいいのか、そうじゃねぇのか、判断ができねぇし……。
あとは、何よりも、胸糞が悪い。

[メイン] 立花 悠太 : なーにが私を終わらせて欲しいだ。ガキが。

[メイン] 立花 悠太 : フィクションだろうと、反吐が出る。

[メイン] ハク : 「…さっきあの子に話したけど、わたしはずっとここで生き続けているの。こんな退屈な場所で」

[メイン] ハク : 「ずーっとずーっと長い間、一人っきりで…あなたにはこの辛さがわかるの?きっと終わりたいって思うはずよ」

[メイン] 立花 悠太 : 「わかったわかった、わーったから口を閉じろ」
眉を顰め、不機嫌そうな面で、手をひらひらと動かす。

[メイン] ハク : だって聞くから…と、そこまで言って口ごもる。

[メイン] 立花 悠太 : 「辛気臭ぇし、孤独の辛さってやつも分からねぇわけがねぇし、聞いてて気分も良くならねぇし」

[メイン] ター : ヘンな事情抱えてんのな、どうしようもねェが
多少気まずそうにしながら退がる

[メイン] 立花 悠太 : 「ただなガキ」

[メイン] 立花 悠太 : 「ガキは、ガキらしくいとくのが一番だぜ」

[メイン] 立花 悠太 : それだけ告げると、踵を返す。
なんてつっけんどんな、ゴミのような態度だと我ながら思う。

[メイン] 立花 悠太 : ただ、気に食わねぇんだよ。

[メイン] 立花 悠太 : ヨォーヨとそんな大差ねぇ歳に見えるのによ。
……あんなよ、達観した、『色』のねぇ顔なんざして。

[メイン] ハク : 「…こども扱いしないでほしいわ。こう見えて、あなたよりもずーっと長生きしてるのよ」
ぶつくさと小さくつぶやいて

[メイン] ヨォーヨ : 「えっ……」

[メイン] 立花 悠太 : 背を向けながら、返答することもなく、ひらりと手を動かすだけだった。
子どもの戯言だと思っているのだろう、そのまま、左の部屋へと向かって行った。

[メイン] ヨォーヨ : 「……ハクさん、ハクねぇね、ハクおばちゃん……?」

[メイン] ター : 「おーすごいでちゅね」
「おれも英検404890段だぜ」
適当に聞き流しつつ

[メイン] ハク : 「…ハクのままでいいわ。長生きしてるだけで、見た目はほとんど変わらないもの…ずっとこどもの姿のまま」

[メイン] ハク : 「……信じてないのね」
ジロッとターの方を睨んで

[メイン] ター : 「まさかァ」

[メイン] ヨォーヨ : 「わ、わかった……じゃあハク、ヨォーヨたちは真ん中の部屋を見てみよっか……こっち!」

[メイン] ター : 「おいガキが勝手に...」
と何かを言いかけたが

[メイン] ター : これ以上の忠告はヤボってやつだな、口うるさい大人にはなりたくねーもんだ

[メイン] ター : 去っていく2人を確認し、残った扉へと向かった

[メイン] ハク : ヨォーヨに手を引かれて真ん中の扉に向かうも

[メイン] GM : 真ん中の部屋の扉に近づくと、ハクが口を開きます。

[メイン] ヨォーヨ : 「……? どうしたの、ハク?」

[メイン] ハク : 「ここは…わたしは好きじゃない。たくさん、いやなものがおいてある」

[メイン] ヨォーヨ : 「……え、えっと……」
……どうしよう、他の二人はもう行っちゃったみたいだし……

[メイン] ハク : 不安そうにしているヨォーヨを見て首を左右に振って
「…でも、終わらせてって願ったのはわたしだから、手伝ってくれるのならこれ以上ワガママも言えないわ」

[メイン] ハク : 「だから大丈夫よ」

[メイン] ヨォーヨ : 「……」
「……わかった、もし気分が悪くなったりしたら外で待ってても大丈夫だからね」

[メイン] ヨォーヨ : 少し逡巡したのち、真ん中の扉を開ける。

[メイン] ヨォーヨ :

[メイン] GM : 中に入ると、ツンとした薬品の臭いが鼻をつく。
銀製の棚の中にぎゅうぎゅうに押し込められた薬品ビンの中には「惚れ薬」とシールが貼ったものや、「劇薬につき注意」とマジックで直接書かれた、怪しいものまでさまざまなものがある。

[メイン] GM : 《目星》を振れますね。

[メイン] ヨォーヨ : 「ここは……薬の保管場所かな?」
似たようなのを医者の先生のところで見たことがある。

[メイン] ヨォーヨ : 《目星》振るね!

[メイン] GM : どうぞ!

[メイン] ヨォーヨ : ccb<=80 目星 (1D100<=80) > 80 > 成功

[メイン] GM : 棚の中から、メモの貼られた年季の入った箱を見つける。箱は古びて埃を被ってはいるものの、持ち主が丁寧に扱っていたのか、美しい装飾は磨けばまた昔と同じ輝きを放つだろうと察しがつく。

[メイン] ヨォーヨ : ……なんだろう、これだけ他と違う?

[メイン] ヨォーヨ : 周りの薬瓶を倒さないように気をつけつつ、背伸びして箱を手に取り、確認する。

[メイン] GM : 鍵が掛けられていたようだが、錠が錆びてしまっており、少し力を入れれば簡単に開くだろう。
中を開けると、ひとつのビンが包装紙に厳重に包まれているのがわかる。
メモには、弱りきった筆跡で

[メイン] GM : 「これを使えばあの子を終わらせることができる。しかし、しかし、これではいけないのだ。
これではあの子が苦しんで終わることになる。他に方法を探さなければ…」
と記されている。

[メイン] GM : 《薬学》を振れますね。

[メイン] ヨォーヨ : 「…………」

[メイン] ヨォーヨ : 終わらせる方法のひとつ……
……なるべくハクに見せないようにしつつ、受け売りの《薬学》知識を試してみるよ!

[メイン] GM : どうぞ!

[メイン] ヨォーヨ : ccb<=31 《薬学》 (1D100<=31) > 49 > 失敗

[メイン] GM : ん~…《アイデア》を振ってください。

[メイン] ヨォーヨ : う、うん……!
……こっちも45しかないけど……!

[メイン] ヨォーヨ : ccb<=45 アイデア (1D100<=45) > 14 > 成功

[メイン] GM : 花屋で働いているヨォーヨには、この薬が除草剤のようなものではないかと思いつきます。

[メイン] ヨォーヨ : ……やっぱり。お店の棚で似ているのを見たことある気がする……
除草剤……終わらせる……

[メイン] ヨォーヨ : GMのねぇね、部屋の中で他に目につきそうなものはないかな?

[メイン] GM : では周囲を見渡すと、明らかに不自然なものが視線に映りますね。

[メイン] ハク : 「…どう?なにか見つけることはできた?」

[メイン] ハク : 先ほどまで一緒にいた少女が、一回り成長していることがわかる。

[メイン] ヨォーヨ : 「えっ、あれっ……ハクなの?」

[メイン] ハク : 「…そうだけど、どうして驚いているの?」

[メイン] ヨォーヨ : 「えっ……えっと、ううん…!」

[メイン] ヨォーヨ : ハクのそばに近寄る。……さっきまで同じくらいの高さだった目線が、今度は見上げるようになる。

[メイン] ヨォーヨ : 「ハク、背が伸びたの?」

[メイン] ハク : 「…?これがふつうではないの?」
キョトンとした表情でそう答える。

[メイン] ヨォーヨ : 「えっ、おかしいなぁ……さっきまでヨォーヨと一緒の身長だったはずなのに……」

[メイン] ハク : 「…そう、やっぱりわたしはあなたとは違うのね」
少しだけ寂しそうにそう言って顔を俯かせて

[メイン] ヨォーヨ : 「ううん……」

[メイン] ヨォーヨ : ……踏み出さなきゃ。

[メイン] ヨォーヨ : ぴん、と背伸びをして、ハクの顔を間近で見つめる。
「それなら……ハクのこと、もっと知りたいな。聞いてもいい?」

[メイン] ハク : 「…さっきも言ったけど、覚えている範囲でよければ答えるわ」
深い藍色の瞳でヨォーヨを見つめ返して

[メイン] ヨォーヨ : こくん。

[メイン] ヨォーヨ : 「ええと……ヨォーヨたちがここに来るまでの間、何があったの?」

[メイン] ハク : 「…なにもないわ。ずーっとこうやってただただ生きていただけ」

[メイン] ヨォーヨ : 「ずーっと…ひとりで?」

[メイン] ハク : 「…ええ。多分」

[メイン] ヨォーヨ : 「たぶん?」

[メイン] ハク : 「…いえ、ただしくは覚えてないのよ」

[メイン] ハク : 「長い間生きていると、全部忘れてしまうの」

[メイン] ヨォーヨ : 「……っ」

[メイン] ヨォーヨ : 「それは、どういう……」
言いかけて、隣の部屋のドアが開く音が耳に入る。

[メイン] ヨォーヨ : 「……いけない、いったん戻らなきゃ」

[メイン] ハク : 「…そうね。向こうのふたりはわたしを終わらせる方法を見つけられたかしら」

[メイン] ヨォーヨ : 「…………。」
ハクから見えないように、除草剤の瓶を握る手の力をぎゅ……と強める。

[メイン] ヨォーヨ :

[メイン] ヨォーヨ :

[メイン] ヨォーヨ : 「よいしょ……っと、おまたせにぃにたち!どうだった?」

[メイン] ヨォーヨ : 少し大きくなったハクの手を引きつつ、二人の方をきょろきょろと交互に見る。

[メイン] 立花 悠太 : 「………」

[メイン] 立花 悠太 : 吃驚していた。

[メイン] 立花 悠太 : 「……えーと?」

[メイン] 立花 悠太 : ハクを見ていた。記憶が正しければ、ヨォーヨと背丈は、そう変わらなかったはずだが……。

[メイン] ヨォーヨ : 「あっ、えーと……『これがふつう』なんだって」

[メイン] ヨォーヨ : 悠太の意図を察し、それに答える。

[メイン] 立花 悠太 : 「……………なるほどな」
普段の俺なら、何を寝惚けたことを言っているんだ、と返していたことだろうが……。

[メイン] 立花 悠太 : なるほど、だ。

……予感は、的中していく。

[メイン] 立花 悠太 : ここは、『普通』の場所ではない。
そして─────あの手記の中身だって、そうだ。

きっと……本当のことなんだろう。

[メイン] 立花 悠太 : 「……まぁ、そういうこともあるんだろうな」
気を遣った、というわけでもない。ただ、もうこれ以上引っ張ったところで、あるものはあるのだから、あとはもう当人同士が、受け入れるしかないと思っている。だから、俺はそう思うことにした。
まぁ、吃驚はするんだが。

[メイン] ター : 「おい見ろよ、でっけー鍵あったぜ」
そんな重い雰囲気も露知らず

[メイン] ヨォーヨ : こくん、と……対照的に純真さで飲み込んでいる少女。

[メイン] 立花 悠太 : 「おっ…… やりますね、ターさん」

[メイン] ター : 「なんかデカくなってるが...3日会わずでなんとか言うもんなァ、個人差だろ」

[メイン] ヨォーヨ : 「わ!なにそれ?」

[メイン] ハク : 「…この子と違ってあなたたちは冷静なのね」

[メイン] 立花 悠太 : 「………いや、どうだろうな」
肩を竦める。

[メイン] 立花 悠太 : 「『大人』ってのは、気が動転することがあっても、そう取り乱す振る舞いはしないもんだ」

[メイン] 立花 悠太 : まぁつまりは、俺は吃驚しましたよっていう、白状なんだが。すっげぇ遠回しな言い方だ。

[メイン] ター : 「冷静かはさておき別にビビるビビらないが偉いことじゃねェんだぜ。その事実を自分なりに受け入れることだろ」

[メイン] ター : 単に何も理解していないだけなのだが、彼もまた大人ぶっている

[メイン] ヨォーヨ : ……にぃにたち、かっこいいなぁ……
大人になるって、こういうことなのかな?

[メイン] 立花 悠太 : 「……それと、ハクっつったか」

[メイン] 立花 悠太 : 漆を塗したような瞳を向ける。

[メイン] ハク : 「…そう、いろいろ大変なのね」

[メイン] ハク : 「…どうかしたの?」
問いかける悠太の方に視線を向けて

[メイン] 立花 悠太 : 「さっきは悪かったな」

[メイン] 立花 悠太 : 唐突に、そんなことを口にする。

[メイン] 立花 悠太 : 俺の気が変わっただけだ。
……あの手記を見せられちゃ、何も思わねぇわけがねぇ。

[メイン] ハク : 「…?謝られるような覚えはないけど」

[メイン] 立花 悠太 : 「そうか、ならいい」

[メイン] 立花 悠太 : 相変わらずの、無機質で、無気力で、つっけんどんな態度になる。

[メイン] 立花 悠太 : ……どうにも、こういう性分は、抜けねぇな、と。

[メイン] 立花 悠太 : 「……ターさん、その鍵なんすけど」
話を切り替える。

[メイン] 立花 悠太 : 「多分、あそこっすよね」

[メイン] 立花 悠太 : 目を、黒く大きな扉へと向ける。

[メイン] GM : 黒く、大きな扉。施錠されている。
本があった部屋で図鑑に挟まっていた鍵を見つけていれば、ここの鍵であることがわかるだろう。

[メイン] ヨォーヨ : 「あっ……ほんとだ、色が一緒」

[メイン] ター : 「そこしかないだろうな」
扉を出れば、いやでも目に入る位置だ

[メイン] 立花 悠太 : 「『何か』ありゃ、いいんすけどね」

[メイン] 立花 悠太 : 『終わらせる』何か?
違うね。

[メイン] 立花 悠太 : 『何か』っつったら、『何か』だ。

[メイン] ター : 「なんかが『ある』から隠してんだろ、そんでなきゃただの箱マニアだ」

[メイン] 立花 悠太 : 「でしょうね」
草臥れたように、首元に手を置きつつ。

[メイン] ター : この場の思惑全てを意に介さず、作業の1工程かのように躊躇することなく鍵を開ける

[メイン] ター : 「さてどんなびっくり箱やら...」

[メイン] ヨォーヨ : 「……。」
そぞろな不安からか、ハクの手を握る力を少し強める。

[メイン] GM : 入ろうとドアノブに手をかけると、ハクがヨォーヨの手を握り返します。

[メイン] ハク : 「どうしても、いくの…?なら、どうかしずかに、気をつけて…」

[メイン] 立花 悠太 : ……何か曰く付きのようだ。

言われるがままに、元から寡黙な灰の男だが、さらに声を押し殺す。

[メイン] ター : 「なんだ、ペットでも飼ってんのか?」

[メイン] ター : 「アライグマレベルかゲジゲジ位までならおれァいけるぜ」

[メイン] ヨォーヨ : 「……うん、ありがとうハク。大丈夫、行こっか」

[メイン] ター : 「んじゃお邪魔しますっとな」

[メイン] GM : 入ろうとすると、目の前にムチのような黒いものがあなたに襲い掛かります。

[メイン] GM : 突然の襲撃にあなたはとっさに目を瞑ってしまうでしょう。

[メイン] 立花 悠太 : 「─────っ!!?なんだッ!?くそ……!?」

[メイン] 立花 悠太 : 咄嗟にヨォーヨとハクを庇うべく、前に出る。

[メイン] ター : 「ちょ.......!?」

[メイン] GM : 自分の胸元にそれが突き刺さった、そう直感したあなたでしたがその痛みはいつまでたっても訪れません。

[メイン] ヨォーヨ : 「──え」

[メイン] GM : ゆるゆると目を開けると、目の前には白色、そして赤。

[メイン] GM : あなたはすぐに、ハクが襲撃から自分をとっさに庇ってくれたのだと理解するでしょう。

[メイン] ヨォーヨ : 「ハク……っ!!?」

[メイン] 立花 悠太 : 「なっ……!?」
脂汗を浮かばせ、鈍痛の届かぬ果ての、瞼の奥の光景を見ゆると、驚きで目を見開かせる。

[メイン] 蝿のような生物 : 彼女の目の前には、黒くて大きな蝿のような生物が、10本ほどある手足の一つを血で滴らせながら、ぎょろりとした大きな不気味な目でこちらをじっと見据えている。

[メイン] 蝿のような生物 : 次の獲物を定めているような、気味の悪い視線にあなたはぞくりと寒気を覚えるだろう。SANc(0/1d6)

[メイン] 立花 悠太 : 1D100<=79 正気度ロール (1D100<=79) > 33 > 成功

[メイン] ヨォーヨ : CCB<=65 SANc (1D100<=65) > 18 > 成功

[メイン] ター : ccb<=32 (1D100<=32) > 39 > 失敗

[メイン] ター : 1D6 (1D6) > 5

[メイン] GM : アイデアどうぞ

[メイン] ター : ccb<=45 (1D100<=45) > 25 > 成功

[メイン] ター : 1D10 (1D10) > 9

[メイン] GM : 1d10 (1D10) > 4

[メイン] ター : おっと
どっちでもいいよい

[メイン] GM : 9 奇妙なもの、異様なものを食べたがる(泥、粘着物、人肉など)。

[メイン] ター : 食べる(性)

[メイン] ター : 「あ〜クソ...ガキ守るのが大人の役目だってのにおれァ何してんだ...!」

[メイン] ター : 「ムカつくぜ...こんな自分にもガキに手ェだすきしょい虫にも」

[メイン] ター : 1人、興奮のボルテージをひたすら高めていく

[メイン] 立花 悠太 : 何が、どうなってやがるッ……!情報量が多すぎんだろッ……!?
なんだよあの虫はよッ!攻撃してきやがって……!!
あんなの、存在していたのかよ……!?この世に……!?
てか、そうじゃねぇだろ………!!

[メイン] ター : 「イライラすると腹減ってくんだよなァ...タバコも吸えてねぇしよォ!」

[メイン] 立花 悠太 : 「ハクッッッ!!!」

[メイン] ヨォーヨ : 「ハク、ハク…!!しっかりして、今手当てを…!!」

[メイン] ター : 視線は目の前の虫を、食物を捉える

[メイン] ハク : 「やめて」
少女が一言だけ、しかし重みのある声音でそう言います。

[メイン] GM : すると、部屋の奥からざわざわと何かが這いよってくるような気配がするでしょう。

[メイン] GM : しかし、それはあなたにとって害のあるようなものだとは感じませんでした。
その気配があった後すぐ、大きな蝿はぶるりと震えてこちらに背を向け部屋の奥へと去ってしまいます。

[メイン] ヨォーヨ : 「……ハク……?」

[メイン] ター : 「待ちやがれェ!」

[メイン] 立花 悠太 : 「待て!ターさん!深追いは危険だ!」

[メイン] ター : 「るせぇ!おれァ腹減ってんだよ!」
狂気に紅く染まった瞳で扉の奥を見据える

[メイン] ヨォーヨ : 「そっ……そうだよっ、ターにぃにまで大怪我したら…!!」

[メイン] ハク : 「さっきのあいつもお腹が減ってるから、いかないほうがいいわ」

[メイン] GM : 先ほど居た白くて四角い部屋から続いているとは思えないほど壮大な温室。
部屋だということを知らなければ、永遠に続くジャングルだと言われても気づかないだろう。
見たことも無いような奇妙でいて美しい花々・植物がうっそうと茂っており、部屋のさらに奥には大きな茂みが見える。

[メイン] 立花 悠太 : 「つーか、ハクは喋んな!傷が広がるだろ!」

[メイン] ハク : 「…心配してくれてありがとう。でも大丈夫よ。すぐに治るから」

[メイン] 立花 悠太 : 「そういうことじゃねぇよ!!!」

[メイン] 立花 悠太 : 「すぐに治るから、じゃあいくら傷ついても良いってか?」

[メイン] 立花 悠太 : 「なわけあるか!痛ぇもんは痛ぇだろうが!見てるこっちとしても、痛々しいんだよ!」

[メイン] ハク : 「…そうね、ごめんなさい。わたしはすぐに治って、傷を負ったことも忘れてしまうから…配慮が足りなかったわね」

[メイン] 立花 悠太 : 「…………チッ……」
誰に向かうわけでもない、あるとするなら自分に対する舌打ち。
気分の悪いものを口にして、吐き捨てる場所を見失う。
不機嫌そうに顔を歪ませる。

[メイン] ハク : そのまま今にも飛び出しそうなターの方に向かって歩いて行き、頭を優しく撫でる。

[メイン] ヨォーヨ : 「…………。」

[メイン] ハク : 「…落ち着いて。あれは人間が食べるものじゃないわ」

[メイン] ター : 「.......ッフゥー...」
深呼吸

[メイン] ター : 「...それもそうだ、あんなゲテモノ10年の1度食うかどうかだな」

[メイン] ター : 思い出したかのようにポケットからガムを取り出す
禁煙場所にいる時、タバコ代わりによく口に含んでいた古いモノを

[メイン] ヨォーヨ : 「…………ハク……」

[メイン] ハク : 「…あなたもそんな顔をしないで、これじゃ守った意味がないわ」

[メイン] ハク : 「…それに、お友達は助け合うものでしょう?」

[メイン] ヨォーヨ : 「…………。」

[メイン] ヨォーヨ : こくん。
「……傷、見せてもらってもいい? ハクが助けてくれたから……もしすぐに治ってしまうものでも、お返しくらいはしたいの」

[メイン] ハク : 「………」
最初は見えないように傷を隠そうとしたが、おずおずと素直にヨォーヨに患部を見せる。

[メイン] ヨォーヨ : 「……ちょっと痛むかもしれないから、じっとしててね」

[メイン] ヨォーヨ : ccb<=65 応急手当 (1D100<=65) > 21 > 成功

[メイン] GM : 1d3 (1D3) > 2

[メイン] ハク : 「……ありがとう」
処置されている間、小さくつぶやくようにお礼を述べて

[メイン] ヨォーヨ : 「ううん」
ガーゼを当てつつ、小さく笑顔を見せる

[メイン] ヨォーヨ : 「……店長さんも、ハクのことを純粋に心配してくれたんだと思う。……もし体の作りが他と違って、考えていることが他と違っても……」

[メイン] ヨォーヨ : ぺたん、とうさぎの絆創膏を貼って。
「……きっと、理解しようとすることはできるでしょう?」

[メイン] ハク : ちらりと悠太の方に視線を向けたあと、ヨォーヨに向き直って
「…うん」
と、小さく頷いた。

[メイン] ヨォーヨ : その返事に、また嬉しそうな笑みを返して。
「ヨォーヨたちのこと、守ってくれてありがとうね。ハク」

[メイン] ハク : 「…終わるのは私。あなたたちは終わる必要ないから…それだけ」

[メイン] 立花 悠太 : 不機嫌な表情。

[メイン] ヨォーヨ : 「…………うん。」
きっと、店長さんは納得してないんだろう……さっきだって、誰よりもハクの身を案じてくれた。

[メイン] ヨォーヨ : でも……答えを出さなきゃならないなら、今はひとつずつ理解するしかないのだから。
「……具合は大丈夫? 部屋を見てみるから……無理そうなら無理しないでね」

[メイン] ハク : 「…さっきも言ったけど、すぐに治るから…心配してくれるのはうれしいけど、願いを叶えてもらうまでは一緒にいさせて」

[メイン] ヨォーヨ : 「ん……わかった」
ハクの手を取って、他の二人の方に視線で合図を送り……部屋の中へ。

[メイン] GM : 茂みをぬけると、大きくひらけた場所に出る。
少女から発せられている甘い香りと似たような、それでいてさらに魅力的な甘い香りが漂ってくる。

[メイン] GM : その中央には見たこともない、自分たちより何倍も大きな植物が鎮座している。
しかし、植物というには青白く、茎の先に生えているであろう大きな花は今は蕾となって閉じられている。SANc(1/1d6)

[メイン] 立花 悠太 : 1D100<=79 正気度ロール (1D100<=79) > 97 > 失敗

[メイン] 立花 悠太 : 1d6 (1D6) > 5

[メイン] system : [ 立花 悠太 ] SAN : 79 → 74

[メイン] ヨォーヨ : CCB<=65 SANc (1D100<=65) > 64 > 成功

[メイン] 立花 悠太 : めんどくせぇ~~~

[メイン] 立花 悠太 : CCB<=70 アイデア (1D100<=70) > 14 > スペシャル

[メイン] GM : 1d10 (1D10) > 3

[メイン] system : [ ヨォーヨ ] SAN : 65 → 64

[メイン] GM : 3 肉体的になヒステリーあるいは感情の噴出(大笑い、大泣きなど)。

[メイン] 立花 悠太 : 「ぐッッ………!!」
頭を抑えつける。何もかもが、中指を立てているように思える。
ふざけてやがる。おかしいだろ。何なんだよ。どうなってんだよ。

[メイン] 立花 悠太 : 俺の方がおかしいとでも言うのかよ。外様に来ちまったって言うのかよ。

[メイン] ヨォーヨ : 「う……こんな植物、山でも図鑑でも見たこと……」
少し怖気付くようにするも、すぐに気を取り直す。

[メイン] 立花 悠太 : ヤニだ。ヤニを体が欲する。腕の震えが止まらない。苛立ちが、訳の分からないものを見て、歯止めをぶっ壊しやがった。

[メイン] ヨォーヨ : 「……店長さん?」

[メイン] 立花 悠太 : 「ッッッ……!!……いいッッ……!……平気、だッッ………!!」

[メイン] 立花 悠太 : 高鳴る感情が静まらず、しかしここで声を荒げては、鎮座し眠る得体の知れない怪物を起こしかねない。そんな理性が踏み止まろうとする。
つまりは、燻ぶった、激昂する爆発が、俺の体内にだけに留まって、好き放題に暴れてやがる。

[メイン] 立花 悠太 : 吐き気がする。

[メイン] ヨォーヨ : 「っ……」

[メイン] 立花 悠太 : ─────正常に立つこともままならず、姿勢が崩れると……。

[メイン] 立花 悠太 : ポケットから、手記が落ちる。

[メイン] ヨォーヨ : 「……て、店長さん……っ!!?」

[メイン] 立花 悠太 : 首を左右に、激しく振るう。

[メイン] 立花 悠太 : 睨みたいわけでもないのに、鋭い目つきで、ヨォーヨを見やる。

[メイン] ヨォーヨ : 「……っ……!」

[メイン] 立花 悠太 : 「悪いッ………頭が、痛ぇんだ………!少し……静かに、させてくれ………」

[メイン] ヨォーヨ : 「……う、うん……わかった。……ヨォーヨにできることがあったら、なんでも言ってね……」
小さな声でそう伝えつつ、心配を抑えられず……行き場を失った視線が、やがて手記の方へと落ちる。

[メイン] ハク : 「この花が、わたしのお父さん」
「お父さんは、わたしが生まれた時からずっとずっとねむっているの」

[メイン] ハク : 「…あの人はお父さんの香りに当てられちゃったのね…すぐに治ると思うからそこで休んでいて」

[メイン] ヨォーヨ : 「……あれが、おとうさん」

[メイン] ハク : 小さく頷いて

[メイン] ヨォーヨ : ──あの子はスイカズラの花であって、そうでない。なにか、特別な働きがあって枯れることがないのだ。
私はまだ彼女と居たい。美しい彼女をずっと見続けていたい──

[メイン] GM : 植物に対して《目星》を振れますね。

[メイン] ヨォーヨ : ……振るよ!

[メイン] GM : どうぞ!

[メイン] ヨォーヨ : ccb<=80 目星 (1D100<=80) > 48 > 成功

[メイン] GM : 植物の根元のあたりに一枚のメモが落ちていることがわかる。

[メイン] ヨォーヨ : 「……」
無言でメモを拾い上げ、書かれている内容を確認する。

[メイン] GM : 拾い上げてよく見てみると、これはメモではなく、本から破りとられたページの一枚であることがわかる。
読むのであれば、以下のことがわかる。

[メイン] GM : ・人外のものが人間として転生する方法が記されている。
・一人転生させるのに、最低でも対象と人間の術者の二人必要である。
・互いが想い合い、信用していなければ術は失敗する。
・術者の新鮮な血肉を、対象に摂取させる必要がある。
・対象者も術者も、術式の後は記憶を失う場合がある。
・一度使うともう二度と使うことはできない。

[メイン] GM : メモの裏にはこう書かれている。
「これがあれば、彼女は人間として生を受けることができるだろう。しかし、そんな力はもうわたしには…だれか、あの子の願いを叶え…」
そう手書きで記されている。続きがあるように見られる文章だが、その続きはどこにもない。
そして、紙の端には血がこびりついている。これを記した何者かが、この後すぐに息絶えたことに気付いてしまうだろう。SANc(0/1)

[メイン] ヨォーヨ : 「…………。」

[メイン] ヨォーヨ : CCB<=64 SANc (1D100<=64) > 1 > 決定的成功/スペシャル

[メイン] ヨォーヨ : メモをぎゅ……っと握り締めて、振り返る。
「……ハク。」

[メイン] ヨォーヨ : 「ひとつ、確認したいことがあるの」

[メイン] ヨォーヨ :

[メイン] ヨォーヨ :

[メイン] ヨォーヨ : 適当に理由をつけて、ターにぃにには店長さんの確認をしてもらうことにした。
子供は我儘を言っていいんでしょう、なんて茶化したりして。

[メイン] ヨォーヨ : ……これで、ハクとふたりきりで話ができる。

[メイン] ハク : 「……それで、確認したいことって、なに?」

[メイン] ヨォーヨ : 首を小さく縦に振り、口を開く。

[メイン] ヨォーヨ : 「ハク、言ってたよね。『わたしは終わりたい、この退屈なへやでずっと生き続けるのは苦しいの』……って」

[メイン] ヨォーヨ : ……息を継いで。
「もし、ハクが……ヨォーヨたちと同じ人間として外に出られて、終わらずにいられるとしたら。」

[メイン] ヨォーヨ : 「ハクは、それでもいい?」

[メイン] ハク : 「わたしを終わらせてほしいのはそう…だけど、後半の意味がわからないわ」
ヨォーヨの言葉に困惑しながら、真意を確かめるように

[メイン] ハク : 「わたしがあなたと同じになって外に出られる?それってどういうことなの?」

[メイン] ヨォーヨ : 「…………。」
期待できる返事。

[メイン] ヨォーヨ : 「そっち……『お父さん』のすぐ近くに、メモが落ちてたの」

[メイン] ヨォーヨ : 『人外のものが人間として転生する方法』について、ハクに見せる。
……実行にあたって、隠していたらハクの信用は得られない。

[メイン] ハク : ちらりと大きな植物の方に視線を向けて

[メイン] ハク : 「………」
ヨォーヨが見せてくれたメモをゆっくりと読んで

[メイン] ハク : 「たしかに、いつだったか本で読んだ人間の住む世界にはあこがれはあるわ。きっと、ここより退屈しないですむでしょう…けど、これいじょうあなたを巻き込むわけ、には…」

[メイン] ハク : そう言いながら、ちらりとヨォーヨを一瞥する。

[メイン] ヨォーヨ : ……くすり。

[メイン] ヨォーヨ : 「『巻き込む』なんて表現はふさわしくないでしょう?──友達だもの」

[メイン] ハク : 「……でも」

[メイン] ハク : その“友達”になった記憶を失ってしまう。

[メイン] ハク : 「………」
それを言い出すことができずに、沈黙してしまう。

[メイン] ヨォーヨ : 「あっ……記憶のことなら、ヨォーヨは大丈夫だよ」

[メイン] ヨォーヨ : こほん、と咳払いして。
「……実はね、ヨォーヨの友達にもいるんだ……すぐに記憶がなくなっちゃう子。でも……大事なことはメモに残してあるし、そうじゃないこともまた一緒に遊んで、すぐに新しい思い出の芽が生まれるの」

[メイン] ヨォーヨ : 「ヨォーヨが忘れちゃっても、おとうにおかあ、店長さんやターにぃにたちが、花が、川が、大地がヨォーヨのことを覚えてくれている限り……きっとまた元のヨォーヨとして」
「……それで、きっと今と同じように……またお友達になれると思うんだ」

[メイン] ヨォーヨ : 「たとえ記憶は失っても、ヨォーヨは『枯れる』つもりはないよ!」

[メイン] ハク : 「…あなたは、わかっていないわ」

[メイン] ハク : 「…忘れても思い出せればいい、それはわたしもわかってる」

[メイン] ハク : 「…でも、一番辛いのは、忘れてしまったことを忘れてしまうことよ」

[メイン] ハク : 「……さっき、あなたが見せてくれたメモの裏…チラッと見えたわ」
「…わたしは覚えていないのに、わたしのことを助けようとしてくれた人がいた…でも、わたしはその人のことをまったく覚えていない」

[メイン] ヨォーヨ : ……黙って彼女の言葉を聞いている。

[メイン] ハク : 「…わたしを大切にしてくれた人のことを忘れて生きるなんて…わたしにはできない」

[メイン] ハク : 「それだったら、覚えているうちに終わりたい…この気持ちを抱いたまま終わってしまいたい」

[メイン] ヨォーヨ : 「…………。」

[メイン] ヨォーヨ : 言い返そうとするも……言葉に詰まってしまう。

[メイン] ハク : 「…お願い。わたしを終わらせて」

[メイン] ハク : そう言うと、最初にヨォーヨがしてくれたように、今度は自分からヨォーヨの手を自分の両手で包み込む。

[メイン] ヨォーヨ : 「…………!!」

[メイン] ヨォーヨ : どうして……何も言えないの?
二人とも助かるはずだった……のに。

[メイン] ヨォーヨ : どうして、ハクを止められないまま……見殺しにしてしまうの?

[メイン] ヨォーヨ : どうして、どうして、どうして……

[メイン] ヨォーヨ :

[メイン] ヨォーヨ : 手を振り払う。

[メイン] ヨォーヨ : 「どうして……我儘ばかり、言うの……!!」

[メイン] ヨォーヨ : 呼吸が荒れる。

[メイン] ヨォーヨ : 目に溜まった雫が、少しずつ零れ落ちる。

[メイン] ハク : 「…ち、ちがうわ!これ以上迷惑をかけられないから…それに、忘れたくないっていうのは本当だもの!」

[メイン] ハク : 先ほどよりも少し大きな声でそう言い放つ。

[メイン] ヨォーヨ : 「……なら!!!」

[メイン] ヨォーヨ : 「ヨォーヨに見殺しにさせて、ヨォーヨのこと、一生をかけて苦しめることなんて……!!別にいいって言うの!?」

[メイン] ハク : 「そ、それは…」
思わず言葉に詰まってしまう。

[メイン] ヨォーヨ : 「……ヨォーヨは、ただ……」

[メイン] ハク : 自分が今までずっと忘れていたから、楽しいことも、辛いことも。
覚えていることで生まれる楽しさや辛さをわかっていなかった。

[メイン] ヨォーヨ : 「ヨォーヨの大事なお友達を、こんなところで失いたくない、だけなのに…!」

[メイン] ハク : 「……っ!」

[メイン] ヨォーヨ : ……ぎゅ、と。

[メイン] ヨォーヨ : 大きくなったハクの身体を……親に甘える子のように、抱え込む。

[メイン] ハク : 「………あったかい」

[メイン] ハク : ああ。そっか…今のわたしは幸せなんだ。
こんな風にわたしのことを想ってくれる人がいて…。

[メイン] ヨォーヨ : ぐす、と鼻を啜る。
「ハクを一人にしないお願いは、ヨォーヨがちゃんと聞いてあげる。……だから、ハクも」

[メイン] ヨォーヨ : 「ヨォーヨの前から、いなくなろうとしないでよ……」

[メイン] ハク : ………。
このまま幸せな気持ちのまま終われたら、わたしは……。

[メイン] ハク : ………いやだ。

[メイン] ハク : …いやだ。終わってしまったら、もう二度とこの気持ちに出会うことはできない。

[メイン] ハク : この子に、わたしに幸せを教えてくれたヨォーヨに。

[メイン] ハク : 終わりたくない。わたしは……!

[メイン] ハク : 「……わたしも、いなくなりたくないよぉ」

[メイン] ハク : ぐすりと鼻を鳴らして、涙声でそうつぶやく。
今までどこか浮世離れしていた少女の表情は、年相応のものに変わっていた。

[メイン] ヨォーヨ : 「……へへ」

[メイン] ヨォーヨ : 「やっと聞けた……ホントの我儘」

[メイン] ハク : 「…意地をはってしまって、ごめんなさい」

[メイン] ヨォーヨ : 「ううん」
預けていた手を離し、ハクに視線を合わせる。

[メイン] ハク : ヨォーヨの琥珀のような瞳に見つめられ、自分も藍色の瞳で見つめ返す。

[メイン] ヨォーヨ : 「……ありがとね、ハク」

[メイン] ヨォーヨ : 「行こっか。向こうで二人が待ってるし」

[メイン] ハク : 返事の代わりに、ヨォーヨの手をぎゅっと握りしめる。

[メイン] ヨォーヨ : ぎゅ……と、その手を握り返し……大人たちの待つ方へ。

[メイン] ヨォーヨ :

[メイン] ヨォーヨ : 「お待たせ……店長さん、落ち着いた?」

[メイン] ヨォーヨ : さっきまで二人で話していたことを打ち明ける。
……ターにぃには納得してくれたみたい、思い出がたくさん作れるのも子供の特権だって。……でも、店長さんは……

[メイン] 立花 悠太 : 「ああ、悪かったな……急に」
血色の悪さは変わらずとも、落ち着きは取り戻しつつあるようだ。しんどそうに眉間に皺を寄せながら、ヨォーヨの話を静かに聞いた。

[メイン] 立花 悠太 : 「…………………」
漆を塗したような瞳を、死んだ魚のような目を、ヨォーヨへと向ける。

[メイン] 立花 悠太 : 無表情で、氷のような……煤のような。

[メイン] ヨォーヨ : 「…………。」
その目の奥を、純真な瞳でしっかりと見つめ返す。

[メイン] ヨォーヨ : 「ヨォーヨがそうしたいって、ヨォーヨが決めたことだから。」

[メイン] 立花 悠太 : 頭をぼりぼりと掻く。

[メイン] 立花 悠太 : 「黙ってりゃいいのに」

[メイン] 立花 悠太 : 「別に話すことはねぇだろうに、むしろ話したら俺がどんな反応するかも、わかってただろ、そのくらいの想像力は、お前にはあるはずだ」

[メイン] ヨォーヨ : こくこく。

[メイン] ヨォーヨ : 「……でも、店長さんもヨォーヨの大事な店長さんだから、隠したりできないよ。……黙っていたら、後から今以上に心配するでしょう?」

[メイン] ヨォーヨ : 「そのくらいの想像力、ヨォーヨにもあるよ」

[メイン] 立花 悠太 : 「理由になっちゃいねぇよ」
溜息、そして諦念を浮かべた表情。

[メイン] 立花 悠太 : 「……話そうが、話すまいが」

[メイン] 立花 悠太 : 「俺は心配をする、遅かれ早かれの問題だ、だからそこは論ずる必要もねぇ」

[メイン] ヨォーヨ : 「……う」

[メイン] 立花 悠太 : 「あるのは、ヨォーヨ、お前がやろうとしていることを、俺が止めるかもしれねぇというリスクだけだ」

[メイン] ヨォーヨ : 「……思い至りませんでした」

[メイン] ヨォーヨ : 小さく項垂れる。

[メイン] 立花 悠太 : 「俺はまぁ、世間一般的に、そう褒められた生き方はしちゃいねぇ。俺の気の向くままに過ごしてきただけだ。だがよ……」

[メイン] 立花 悠太 : 「……弟子の記憶がどうなるか分からねぇって状況に立たされ、涼しい顔のままでいられるかっつったら」

[メイン] 立花 悠太 : 「俺には、無理なだけだ」

[メイン] ヨォーヨ : 「…………。」

[メイン] ハク : 「…それならあなたが覚えておいてあげて」

[メイン] ハク : 「わたしには無理だから、せめてあなたが」

[メイン] ヨォーヨ : 「ハク……」

[メイン] 立花 悠太 : うんざりしたように、また一つ、深い溜息。

[メイン] 立花 悠太 : 「俺の親父と同じだな」

[メイン] 立花 悠太 : 「どいつもこいつも、取り残される側の気持ちも分からず、満足気にどっか行きやがる」

[メイン] 立花 悠太 : 「勝手に枯れてんじゃねぇよ」

[メイン] ハク : 「…違うわ。枯れるんじゃない、終わるわけじゃない」

[メイン] ハク : 「新しく生まれて咲くの…違う色に染まって」

[メイン] 立花 悠太 : 「違わねーよ」

[メイン] 立花 悠太 : 「……もういい、好きにやりな」

[メイン] ヨォーヨ : 「…………。」

[メイン] 立花 悠太 : 「……言っておくが、俺はこんなもんを、『綺麗事』としちゃ見るつもりはねぇ」

[メイン] 立花 悠太 : 「馬鹿がよ」

[メイン] 立花 悠太 : 「一級品のビターエンドよりも、ド素人の作る三流のハッピーエンドの方が、見ていてスカッとすんだから、価値があるだろうが」

[メイン] 立花 悠太 : 煙草を取り出すと、咥え、ライターで火を灯す。

[メイン] ヨォーヨ : 「…………!こら、どさくさに紛れて……!」

[メイン] 立花 悠太 : 「そっちが好きにやるなら俺にも好きにさせろ」
煙草を咥え、動かしながら、眉を顰め、葉に塗された天井を見上げる。

[メイン] 立花 悠太 : 「ただ押し付けられるだけ押し付けられ、へらへらと笑って、幸せな顔して、生きるって最高~人間って美しい~なんてほざくような真似は、俺にはできねぇからな」

[メイン] 立花 悠太 : 「そんなもんはどっかのドキュメンタリー番組の作家がやってろって話だ、俺は気分悪いもんを気分悪いって思わせてもらう」

[メイン] 立花 悠太 : 「ヨォーヨの記憶は、安くねぇんだよ」

[メイン] 立花 悠太 : 紫煙を燻らせるのだった。

[メイン] ヨォーヨ : ……ヨォーヨのこと、大切にしてくれてありがとね……と心で呟く。口にしたところで、どうせ不機嫌そうな言葉が返ってくるだけだ。

[メイン] ハク : 知ってるわ。忘れるのが一番辛いのを、誰よりもわたしがわかっているんだから。

[メイン] ハク : …でもよかった。この子のことを、それだけ大事に思ってくれる人がいてくれるってことがわかったから。

[メイン] ヨォーヨ : へへ、と少し自慢げに笑う。

[メイン] ヨォーヨ : 「……。それじゃ……いくよ、ハク」

[メイン] ハク : 「…うん。いつでも大丈夫よ」

[メイン] ヨォーヨ : 頷きを返し、治療器具から取り出した針で指に小さな傷をつける。

[メイン] system : [ ヨォーヨ ] HP : 9 → 8

[メイン] ヨォーヨ : ……溢れた血を、ハクに与えるね!

[メイン] ハク : ヨォーヨの指に溢れた血を、自分の指でぬぐい、それを口に含む。

[メイン] ハク : こくんと嚥下して、真っ直ぐにヨォーヨを見つめる。

[メイン] ハク : 「わたしが、とじこめてしまったのに、ここまでしてくれるなんて…、本当にありがとう」

[メイン] ハク : 「たとえ、術の副作用であなたのことを忘れてしまっても、わたしは─…」

[メイン] GM : ハクが言い終わる前に、あなたとハクは白く柔らかな光に包まれます。

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 気が付くと、あなたたちは元居た植物園の温室の扉の前に立っていた。

[メイン] GM : 先ほどまで何かしていたような気がするが、頭がずきずきと痛んで何も考えられない。

[メイン] GM : ヨォーヨが自分の指を見ると包帯が丁寧に巻かれている。

[メイン] GM : いつの間にケガなんてしたんだろうか。しかし、手当てのおかげか痛みはない。

[メイン] GM : あなたが植物園のゲートを抜ける。すると、ふわりと甘い香りが漂う。

[メイン] GM : 嗅いだことのない匂いのはずなのに、なぜか懐かしいような気がした。

[メイン] 少女 : 匂いのする方向に振り向くと、こんな田舎には不相応な、白くて可憐な少女とかちりと目が合った。

[メイン] 少女 : 少女はきょとんとした様子でこちらを見ている。あなたが話しかけようとする前に少女が口を開く。

[メイン] 少女 : 「あなた、前にわたしと会ったこと、ある?」

[メイン] GM : あなたの記憶には少女の姿はない。だが、何かひっかかるものがあった。

[メイン] 少女 : 「なんて、ね。ナンパまがいのことしちゃってごめんなさい!あなたとわたしが知り合いだなんて、そんなことあるはず、ないもの」

[メイン] 少女 : ひらりと白いワンピースを翻しながら少女が笑う。
その言葉はまっとうなはずなのに、なぜか胸のあたりがちくりと痛む。

[メイン] 少女 : 「だって、わたし、ちょっと前におじいちゃんと一緒に、この辺りに越してきたばかりなんですもの!」

[メイン] 少女 : 少女は白い肌をうっすらと桜色にして、はにかむようにそう告げる。

[メイン] GM : あなたは、その言葉に心踊るような、そんな気持ちを覚えたのだった。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : シャンクトゥルフ
「花ノ揺リ籠」

[メイン] GM : アナザーエンド

[メイン] GM :  

[メイン] GM :